ポスドクから民間へ ~きっかけ編~

転職

どうもはむです。この度ポスドクから民間企業へ転職する運びとなりました。そのきっかけを今日はまとめました。

アカデミア特有の強い搾取構造、悪い風通し、低い研究モラル、いろいろあります。環境や他人に責任転嫁することは簡単ですが、結局のところ私自身のモチベーションが維持できなくなっただけです。

いわゆるコロナ転職です。新型コロナへの対応の悪さがとどめになりました。その渦中で、正直、この社会情勢で無理に研究・実験をする必要があるのか?と思っていました。そして気付きました。

今自分が取り組んでいる研究はその程度のものだったのだと。

そんな後ろ向きな気持ちで始めたコロナ転職でしたが、終わってみるととても充実していました。こんな私でも活躍を期待し採用してくれた企業、サポートしてくれたパートナーや転職エージェント、全てに感謝しかありません。

アカデミアは善意を前提にした世界である

私はアカデミアに所属していました。サイエンスを愛し、真実の追及を行うことが使命です。その一方で、成果としての論文や特許は求められます。実験を行いデータをまとめ、論文として投稿すると、ピアレビューといって専門家の方々に厳しく審査され、納得を得ることで初めて論文はアクセプトされます。

しかしながら、ピアレビューシステムは完璧ではありません。個々の科学者が善意の元、真実を記載している前提でしか審査できません。意図的なミスリードや改ざんを見破ることは極めて難しいと言ってよいでしょう。

現在の科学は信じられない速度で進歩しています。非常に高度な知識と経験が無くては最新の実験は行えず理解できません。正しい手法で行った結果を正しく解釈すること、それ自体が難しくなってきているのです。だからこそ常に鍛錬し、お互いにチェックしあう必要があるのです。サンプルを装置にいれればなにかしらの結果は得られますが、そんなものには何の価値もありません。結局私の価値観が理解されることはありませんでしたが。

若造が粋がるな、と。そんな風通しの悪い環境からイノベーションが生まれるはずがありません。日本の科学技術レベルの低下が叫ばれて久しいですが、これはお金だけの問題だけではないような気がします。

今となっては、所詮アカデミアから逃げた人間の戯言にすぎませんが。

新型コロナ到来時には既に限界だった

研究に対するスタンスの大きな隔たりから日々消耗していきました。やりたい研究も出来ず、明らかにおかしい結果へコメントするとスルーされる状況でした。教科書を見るだけで間違っていることが分かるようなことはスルーされるのに、正直に実験した私のデータに対しては疑われました。既に限界で、今考えても相当パフォーマンスは低下していました。

そんな時節に新型コロナは到来しました。私は働かなくても生きていけるように資産運用をしていますが、2020年2月下旬に大きく株価が低下しました。実際には原油問題が発端だったようですが、当時の私は新型コロナがかなり深刻な社会問題なのだと感じました。近いうちに実験が出来なくなるような状況になるかもしれないと思いました。

そして、ふと気付きました。ここでやっている実験・研究が止まっても全然困らないな、と。

そうなのです。命を懸けてでもやる研究では全くないし、なんなら新型コロナで研究活動が止まった方が休めて良いな、と。ですが私の予想に反し、実験停止の指示は来ず、密室での会議は普通に行われていました。隣の施設で感染者が出ても我関せず、気を付けて活動してくださいの一言すらありませんでした。

もうこんなところで我慢して自分の貴重な時間を犠牲には出来ない。

転職を決めた瞬間でした。2020年3月2日のことでした。

現在は2020年4月21日ですが、転職を決めた当時の私の感覚は正しく、日本含め世界中が新型コロナ感染の渦中にあります。これから激動の社会が訪れるでしょう。簡単に↓の記事にまとめていますが、私も新時代に乗り遅れないようにしたいと思っています。

すぐに転職エージェントに登録しました

限界が訪れた私はすぐに、ポスドク・転職で情報を収集しました。

すぐに見つけました。ケンドー修介様の「21世紀の人生戦略」というブログです。一気に読みました。私の出身大学のOBであることもあり、涙が出そうになるような記事もありました。

特に↓の記事なんかは、とてもつらくなりました。

“研究という営み自体を愛し、やりがいを感じたいからこそ、あえて労働環境の厳しいアカデミアの世界に入り込むのです。ところがいつまでたっても非正規労働から抜け出せず、家族を養っていかなくてはならない状況の中で、やりがいだけではどうにもならない現実にぶち当たるときが来ます。非正規雇用のポスドクたちが直面しているのがまさにこうした状況なのです。”

この状況をやりがい搾取という言葉で表現されていますが、これは私の言う善意の搾取と同義です。私の場合、やりがいだけではどうにもならない現実=家族が養えない、ではないですが、そのやりがい・やる気を奪われてしまったらもう無理でしょう。

そして、私はJACリクルートメントという転職エージェントに登録しました…

JAC Recruitment(ジェイ エイ シー リクルートメント)公式サイト
JAC Recruitment(ジェイ エイ シー リクルートメント)&#1239...

続きは次回、書きたいと思います。ただ、今回の新型コロナで社会構造が鮮明になったことは事実です。コロナ転職を決意された方も大勢おられることでしょう。そういった方に対して少しでも参考になれば幸いです。

誰も助けてくれないことが判明し、自分の力だけで人生を切り開くことが求められる厳しい未来が待っています。その厳しい競争から離れる方法は、働かずに生きていく(=お金を稼げる)システムを早期に形成する以外にありません。

コメント

  1. […] […]

  2. はじめまして。「ポスドク転職物語」の著者のケンドー修介と申します。ブログを引用してくださって、どうもありがとうございます!

    あの話は今から10年ほど前に、私の実際の経験をもとに綴ったものです。10年たった今もこうして読んでいただける方がいらっしゃるとういことで、書いておいてよかったなあとしみじみ感じております。

    新しい世界への旅立ち、応援しております。わたしの転職後の経験などをもとにした物語の続編も準備しておりますので、ともに頑張っていきましょう!

    • kuma-ham より:

      はじめまして。当ブログを管理しております、はむと申します。
      まさかケンドー修介様ご本人からご連絡いただけるとは、大変光栄です。

      私の転職物語は、「ポスドク転職物語」があったからこそ遂行されえたものです。
      10年前とはいえ、その足跡を残していただけたことには感謝しかありません。

      転職後の物語の続編、楽しみにしております!

タイトルとURLをコピーしました